今は
今私たちは大きな船に乗っていて、街に繰り出す準備をしていたけど、徐々に船を降りて行くのかもしれない。
この前丹羽君と会ったとき、丹羽君がアーティストとして生計が成り立つようになったのはここ一年の話だと言っていて、この一年大きな展示が決まって、これからどうなるかはわからないと話していて、そんなの私だって一緒で、いやいやそんなことはないでしょうと言っていたけど、会社という組織に守られているからそう思うだけで、いつ会社がつぶれるかも分からないし、自身で会社を捨てるかもしれないし、働くということを放棄するかもしれないし、働けなくなるかもしれないし、いつ、どうなるかなんて本当に分からないよねって話をした。
お金というものは何なのだろうか。好きなことを好きなようにやっていて、苦しいなんて思わない人はいないと思う。そういう人こそ、分けも分からない莫大な不安と戦っているんじゃないかなと思った。
でも、それすら幸せとか、様々な感情を抱えながら生きている。芸術家は繊細だからだ。絶対抱えてうなっていると思う。いろんなものを認めながら、自分に必要なものだけ身につけてゆく。
そして、豊かな心を育ててゆく。豊かな心がないと人の心を動かす、人の心に訴えかける作品なんてできるはずがない。
芸術なんてあってもなくても一緒だなんていう人や思ってる人がいる。地位や名誉、名声。そんなものこそ不必要で、心が貧しくなると、自分の核となっているものすら大切にできないような気がする。
心を豊かにするのは、音楽だったり、美しい絵画だったり、素敵な空間だったり、きれいな布だったり、かわいい洋服だったりするんだ。
おいしいご飯も、ぬくもりのある手や、揺れる髪の毛や、朝日や夢だったりする。
美しいものを羅列すればきりがないけど、私たちはそんな優しいものに囲まれていて、それはすごくて大切で必要なのだった。
また一人。いろんな人が、いろんな感情と戦っているけど、いや、戦っていないのかもしれないけど、それは決して無駄なことじゃないよな。私だってそうだからだ。
きっと明日の私はまたひと味もふた味も違うしなんにも変わっていないかもしれないし。
丹羽良徳→http://www.niwa-staff.org/
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