友達と食べたアイスクリームを

友達はしろくまのスタンダードを食べて、アタシはしろくまのストロベリーを食べる。

井の頭公園はもう秋を感じさせて、夜のしっとりがアタシと彼女の歩調をスロウにする。

2回続けてカレーを食べた。


8月の夜の井の頭公園。ここを歩くときはスペシャルな思い出になると決まっているのかもしれない。ずっと友達だったような、全く知らないような。

彼女が話すロシア語と、彼女の声質がすごーく合っていて、心地よかった。ちょっと話しただけなのに。そんな感じを体に住み込ませたりする。


ぽつりと降る雨、抱き合うカップル。並ぶ肩と、揃う歩調。


嗚呼、なんて居心地がよいのだろう。死にたくはないのに自分を痛める事で癒されようとして、それではいけないと自分で解決策を探した時に、この瞬間が思い出された。


幸せだった朝の井の頭公園の思い出もいいけど、お腹いっぱいで、思った事を発して歩いた夜の井の頭公園がなんだか滑り込んできて、ほんわりとなる。しろくまのストロベリー味はおいしかった。


引っ掻いてみたけど、思いのほか滴らなくて、よかった。別の凶器はもうない。